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2006年8月31日木曜日

いざ07春夏へ 産地テキスタイル(1)

いざ07春夏へ 産地テキスタイル(1)(繊維ニュース)

復権に挑むモノ作りの匠たち
 国内テキスタイルビジネスが縮小している。綿など短繊維素材で大きな商戦が期待されるのは、春夏物。盆休も明け、9月から10月初旬にかけて、アパレルや生地商、コンバーターなどが07春夏物の内見会・展示会を一斉に開く。これに合わせる形で、全国のテキスタイル産地の「モノ作りの匠たち」は、次シーズンに向けたテキスタイル提案を強める。

 07春夏がどのように動くのか。この動きに国内テキスタイルビジネスの復権なるかどうかがかかっていると言っても過言ではない。綿産地からの情報発信は? ウール産地の企画提案は? 不振を極める合繊長繊維織・編み物産地の巻き返しは?



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脚光浴びる新開発繊維と製品

脚光浴びる新開発繊維と製品(繊維ニュース)

日清紡 ガイアコット/繊維内部でゼオライト結晶化 幅広い用途展開に期待
 日清紡の「ガイアコット」は、コットン繊維内部でゼオライトを合成させた素材。そのイオン交換能力を利用して銅イオンを導入し、様々な機能を持たせている。また、粉状であるために商品展開が難しかったゼオライトをシート状にしたことで、使用範囲の広がりが期待される。

 ゼオライトは表面に微細孔を持つ鉱物の一種で、その分子構造の透き間に水分やガスを吸着・保持する働きがある。その機能を繊維に応用する動きはこれまでにもみられたが、従来の合繊樹脂バインダーなどで生地に付着させる手法では、機能を発揮するための微細孔が埋まってしまうために良好な機能性が得られなかった。「ガイアコット」は、バインダーを使わずにコットン繊維内部で結晶化させることに成功、その機能性を最大限に発揮できる形で商品化した。



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2006年8月30日水曜日

旭化成せんい 新不織布「プレシゼ」開発

旭化成せんい 新不織布「プレシゼ」開発(繊維ニュース)

旭化成せんいは、新ポリエステルスパンボンド不織布「プレシゼ」を開発し、守山工場に、年産2000トンの専用設備を導入する。これまでパイロットプラントで需要開拓に取り組んできたが、販売のめどがついたことから、専用設備の新設を決めた。稼働は2007年秋からで、08年度までに第2系列を増設する計画だ。


“安研”のカタログから選ぶユニフォーム

06年ユニフォーム市場、国内出荷予測は微減

▼06年ユニフォーム市場、国内出荷予測は微減(日本繊維新聞)


産業コンサルティングと市場調査の産業構造総合研究所(ISGR、東京、石澤一未社長)はこのほど、06年5-7月の国内出荷をベースにしたユニフォームと学生服の市場調査報告書「06年ユニフォーム・学生服市場産業構造研究」を発刊した。



それによると、06年の市場は医療・介護、サービス分野が伸張しているものの、ワーキングや学生服の減少傾向をカバーできず微減、国内出荷全体で前年比0・2%減の4454億7700万円と予測している。



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探見ユニフォーム文化 流通最前線を行く(2)

探見ユニフォーム文化 流通最前線を行く(2)(繊維ニュース)

三越(上)/時代とともに変わる役割
 百貨店の外商事業はこれまで、大企業の制服やオリンピックのユニフォームなど、大きな案件を次々と手がけてきた。しかし、バブル崩壊後は制服の廃止や単価下落などで、従来路線からの転換を迫られ、新たなビジネスモデルを模索している。三越法人外商本部の鈴木進理事に外商ユニフォーム事業の今後の方向性を語ってもらった。

     ◇

 わたしは入社以来、主に婦人服を担当していたのですが、97年からユニフォームを担当しています。当社の法人外商本部は約200人在籍しており、カバーする企業は数千社以上になります。外商の中には、ギフトや販売促進などいろいろな事業がありますが、ユニフォームの場合は1着のオーダーでも対応しなければならないため、物流や管理を担当する専任のスタッフを配置しています。


“安研”のカタログから選ぶユニフォーム

2006年8月29日火曜日

探見ユニフォーム文化 流通最前線を行く(1)

探見ユニフォーム文化 流通最前線を行く(1)(繊維ニュース)

消費者が求めるユニフォームとは
 私たちの生活に深く浸透しているユニフォーム。「安全」「一体感」「福利厚生」「メッセージ性」「セキュリティ」、その効用を上げるときりがない。本紙はこれまで、この日本独特の「ユニフォーム文化」をいろいろな観点から取材し、その価値を見直すキャンペーン連載を行ってきた。
 一昨年は「語り継ぐ“あの時”」とし、ユニフォーム創成期に尽力した先人たちに、その歴史を語ってもらった。昨年は「その効用を探る」をテーマに、学識経験者やイメージコンサルタントなどへインタビューを行い、ユニフォームの持つ役割や効果を聞いた。これらに続く第三弾を8月からスタートする。


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2006年8月25日金曜日

繊維貿易トレンド(7)

繊維貿易トレンド(7)(繊維ニュース)

欧州向け量拡大も金額減
 「輸出拡大」。日本の繊維素材業界が取り組む課題の一つだ。しかし、日本繊維輸出組合がまとめた2002年以降の織物輸出量は毎年減少傾向が続く。ポリエステル長繊維、綿の主要品種は落ち込みが大きく、05年実績は02年に比べそれぞれ2割強、1割弱落ち込んだ。06年1~6月でみると、ポリエステル長繊維が横ばい、綿は3%減となっている
 中国でのインターテキスタイル上海、欧州では仏プルミエール・ヴィジョンなどへ出展し、中国、欧州市場を攻める日本企業。では、その戦略が実際の数字に表れているのかどうか。
 1~6月でみると、中国向けは数量で2%増となったが、加工貿易も含むため一概には言いにくい。一方、EU向けは分かりやすい。1%増とほぼ横ばいにとどまったのは、これまでの成果なのかもしれない。


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2006年8月24日木曜日

繊維貿易トレンド(6)

繊維貿易トレンド(6)(繊維ニュース)

アクリル短繊維輸出/価格昇で素材代替も

 繊維原料輸出の大半を占めるアクリル短繊維は2006年1~6月、前年比4%増の12万3808トンを記録した。このうち、主要仕向け先では中国が5%増の8万1291トン、イランは3・3倍増の1万2307トン、インドネシアは31%減の6662トンとなった。
 輸出の65%を占める中国向けは金額でみても8%増の1億7009万米ドルを記録するなど好調に推移したが、問題は原料であるアクリロニトリル(AN)の高騰とそれに伴う輸出価格の引き上げ。この1年は玉は動くが、採算が伴わない状態が続いており、その是正がアクリル短繊維にとっては大きな課題になっている。


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繊維貿易トレンド(5)

繊維貿易トレンド(5)(繊維ニュース)

繊維品輸出/中東向け24%の伸び
 上半期の繊維品輸出は、1月が昨年後半の低迷を引きずって前年同月比17%減と厳しいスタートだったが、2月、5月、6月と増加に転じて1~6月の累計では、全世界向けの輸出が前年同期比3%減の38億7159万ドルだった。
 主な地域別に1~6月の昨年同期との増減を見ると、持ち返り中心の東アジア向けは素材の現地調達化が中級ゾーンの商品にまで波及していることもあり4%減少した。純輸出市場では欧州向けが7%減、北米向けが2%増に対して、西アジア向けが24%増と大幅に伸びている。


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2006年8月22日火曜日

繊維貿易トレンド(4)

繊維貿易トレンド(4)(繊維ニュース)

アパレル輸入/生産拠点の分散化進む
 上半期のニット製品と布帛製品を合わせたアパレル輸入は、史上最高を記録した昨年を上回るペースで推移した。1~6月の累計は、数量が前年同期比5%増の18億8957万点、金額が同15%増の1兆667億円となった。景気回復の影響もあり、消費者が一格上の商品を求める傾向が強まっているが、数量の伸び率に比べて金額の伸び率が10ポイント上回ったことからもそのことが読み取れる。1点当たりの金額は前年同期の516・2円から48・4円上昇して、564・6円となった。


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2006年8月21日月曜日

繊維貿易トレンド(3)

繊維貿易トレンド(3)(繊維ニュース)

綿花輸入/需要減で前年比27%減
 06年上半期の綿花輸入高は7万3657トンで前年同期比26・9%減と大きく減少した。国内での綿花消費は減少傾向が続いているが、今年は国内紡績設備の再編や素材需要の落ち込みなどによって減少幅が拡大しているものとみられる。
 国内の紡績設備は減少傾向にあり、紡績協会加盟企業の運転可能錘数は111万1000錘と前年比で11万6000錘、9・5%減少した。とくに今年は紡績の国内設備再編が加速している。その背景には国内での素材需要が減少していることがある。紡績各社では「市況は決して良くはない」という声で一致しており、なかには「買い付けた綿花の量を消化しきれていない。その分は海外子会社に送ることを検討している」という声も聞かれる。トレンドの変化で、デニムが苦戦して細番手化が進んでいることなども挙げられる。
国別では、ブラジル綿の比率が引き続き上昇した。ブラジル綿の輸入は2000年にほぼゼロだったが、03年から急増。中太番手用が中心で、豪州綿に比べて10%以上のコスト競争力があるため、シフトが進んでいるものとみられる。
豪州綿が01年の13万5693トンをピークに05年は3万9108トンにまで減少した一方で、ブラジル綿は01年の179トンから05年は3万572トンへと拡大していた。今上期、数量は前年比で減少に転じたものの、初めて豪州綿を抜き、米国に次ぐ第2位に浮上した。


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2006年8月19日土曜日

繊維貿易トレンド(2)

繊維貿易トレンド(2)(繊維ニュース)

織物輸入/大ロットの商売、顕著に減る
 上半期の織物輸入は減少傾向にある。綿織物輸入の1~6月累計は2億2352万4000平方メートルで前年同期比11・0%減となった。また、ポリエステル綿混織物は5920万8000平方メートルで同10・6%減とともに10%以上の減少となっている。


 綿製品輸入が引き続き増加する一方で、国内の素材需要は減少が続いている。綿織物は主要輸入元の中国が前年同期比11・5%減となったほか、パキスタンが19・9%減、タイが同40・6%減、インドネシアが同7・8%減と落ち込んだ。ポリエステル綿混織物も主要輸入元の中国、インドネシアがともに減少した。


 今年の国内での素材需要は減少傾向にあり、「需要減が加速している観がある。とくにロットのまとまる商売は顕著に減っている」「リード商品不在で継続する商材がない。スポット的な商売ばかり」といった声が各商社から聞かれる。綿二次製品輸入の増加を考えると、海外縫製について現地での素材調達やその周辺諸国を活用する形が進んでいることなどが背景にあるとみられる。


 重油高騰に苦しむ染工場の廃業も増えており、今後さらなる減少も懸念される。国内の市場規模縮小に加え、ロットの大きな商売が減少するとともに利幅の小さい定番的な品種の妙味が薄れていることもあり、商売のあり方を見直そうとする動きも出てきた。


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2006年8月16日水曜日

繊維貿易トレンド(1)

繊維貿易トレンド(1)(繊維ニュース)

綿糸輸入/需要落ち込み大幅減

 縫製の海外シフトで製品輸入は引き続き増加傾向にある。同時に海外での素材調達が加速。国内のミル消費は依然として減少傾向にあるなかで、繊維業界では欧米、中国などへの輸出強化にも取り組む。果たして数字にはどのように表れているのか。今年1~6月の繊維貿易を8回にわたり振り返る。


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2006年8月12日土曜日

防塵衣 安定市場に迫る変革 転換期の新戦略を追う

防塵衣 安定市場に迫る変革 転換期の新戦略を追う(繊維ニュース)

 半導体工場や製薬、食品工場などのクリーンルームで着用する防塵衣。一般ユニフォームとの違いは、素材発塵の防止や静電気、異物混入対策など、細かいデータの実証が求められる点だ。そのため、素材から製品までの一貫した開発、研究体制が必要で、素材メーカーなどとの太いパイプが不可欠となる。これまでは半導体工場を中心に展開してきた同事業だが、近年は製薬、食品など第二の柱分野事業育成や中国進出など、新たな動きが出てきた。


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2006年8月10日木曜日

1~6月の繊維品輸出 3%減少

1~6月の繊維品輸出 3%減少(繊維ニュース)

 財務省貿易統計を基に日本繊維輸出組合がまとめた1~6月の繊維品輸出は、ドルベースで前年同期比3%減の38億7159億ドルだった。原料が3%増、不織布が2%増と健闘したが、織物が6%減、糸が3%減、アパレルが9%と減少したため、全体では3%減となった。


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日本毛織 PVニューヨーク展で手応え

日本毛織 PVニューヨーク展で手応え (繊維ニュース)

 日本毛織は、7月開催の「プルミエール・ヴィジョン・プレビュー・ニューヨーク」に初出展したところ、74社からサンプル反の依頼を得た。9月に欧州で開かれるテキスタイル展と違って、バイヤーがコレクションを作成するまで時間的な余裕があることもあって、展示会後も多くの問い合わせが寄せられている。


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2006年8月9日水曜日

西田組、大連企業と取引第1号

▼西田組、大連企業と取引第1号 (東奥日報)

 青森市の建設業、西田組(西田文則社長)が中国・大連市の縫製業者から高性能防塵(ぼうじん)服約一万着を輸入した。二〇〇四年十二月に県、青森市が大連市と友好経済・文化交流協定を結んで以来、現地企業との具体的な取引に踏み切った「第一号の事例」(県海外産業経済交流推進チーム)で、同社は今後も継続して輸入を進める方針だ。


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自重堂 出荷価格 据え置きへ

自重堂 出荷価格 据え置きへ(繊維ニュース)

 作業服製造卸最大手の自重堂は、今秋冬の製品の出荷価格を据え置くと発表した。出原正貴専務は、その理由として「競争が激化している販売店の現状を考慮し、自社でコストを吸収することに決めた。また、他社が値上げを表明する中、業界内のシェアをさらに上げたい」と述べた。


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2006年8月5日土曜日

OSユニフォーム最前線(下)

OSユニフォーム最前線(下)(繊維ニュース)

ユーザーニーズにより近く
 
 今回のレディースユニフォーム協議会合同展示会で、華やかさを印象付けたジョア。ベストに黒・ピンクを合わせたチェック柄にブラックボトムのコーディネートなど、鮮やかな雰囲気の提案が目立つ。アモリリは自社ブランドのほか「ヒロココシノ」「シャピーヌ」の各ブランドの新作を豊富にそろえ、オフィスの彩りを演出する。

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 セロリーは「カムイ」の新作で機能と快適性を向上させたほか、秋冬らしいモノトーン基調で上品なイメージを訴求。神馬本店の「セレクトステージNOIRCHIC」も黒基調だが、ウール様の風合いとジャケット、ベスト、スカートといったシンプルなコーディネートで高級感を強めている。
 一方、医療・介護分野でもファッション性を向上させた提案が随所でみられた。洗練されたデザインと優しく鮮やかな配色で着用者のモチベーションを高めるとともに、患者や被介護者への配慮でもある。
 ナガイレーベンは、ナースウエアブランド「ナウェイ」で「ケイタ・マルヤマ」「アツロウタヤマ」「ユキコハナイ」らデザイナーズブランドの新作を一挙に展示。一般向けのアパレルのようなデザインと実用性を兼ね備えたウエア群で注目を集めた。
 アプロンワールドは、パステル調のプリント柄をブースの前面で展示。併せて吸汗性を向上させた「和」テイストのクールビズ対応ウエアなど、提案の層が厚い。
 今回で2回目の出展となるデサントは「ルコックスポルティフ ナースウエア」でニット素材のウエアを披露。伸縮性と堅牢度に優れた、スポーツウエアで培ったノウハウが生かされた新感覚のウエアだ。
 近年はナースシューズも重要な提案アイテムとして各社が企画を強化している。長時間履いても疲れない軽量性、足元の衛生を維持する抗菌機能、さらにウエアとのコーディネートを意識したファッション性など、要求レベルの高い商品だ。
 デサントは180グラムの超軽量モデルを出展。足にフィットし疲れにくいソールなど、スポーツメーカーの強味が発揮されている。ナガイレーベンは織りジナルブランドの「ユーフィール」シリーズで機能性に上品さを加味。通販などの廉価品が流通するなか、アプロンワールドは病院で実際に履いてもらうなど、こまめなフォローを欠かさないという。
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2006年8月2日水曜日

帝人F ポリエス短20円値上げ

帝人F ポリエス短20円値上げ(繊維ニュース)

帝人ファイバーは、ポリエステル短繊維と工業用繊維のレギュラー品を8月1日から1キロ当たり20円値上げする。原油価格の上昇に歯止めがかからず、原料であるテレフタル酸の高騰も続いていることで採算が悪化した。衣料用ポリエステル長繊維に関しても、近く値上げする方針だ。

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2006年8月1日火曜日

ワーキングユニフォーム 価格改定の行方(下)

ワーキングユニフォーム 価格改定の行方(下)(繊維ニュース)

相次ぐ値上げ表明
 
 作業服アパレルの今秋冬の価格改定の動向は、現段階で大手のほとんどが製品の値上げを決めた。しかし、あくまでカタログの「参考小売価格」を引き上げただけで、アパレルの卸売価格まで上げられるかどうかは、販売店との交渉に委ねられる。


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 昨年の春夏カタログで、参考小売価格を引き上げた自重堂は、他社の動向や販売店の反応を考慮し、半年後の昨秋冬カタログでは、小売価格は上げたものの、掛け率を下げ、販売店の仕入れ価格は据え置く形に修正した。「今秋冬で卸売価格を引き上げるかどうか、現段階では検討中」(出原正貴専務)とする。また、今回値上げを表明したアパレルが、戦略的に販売店への出荷価格を据え置く可能性も十分にあり、ジーベックは「カタログの価格は上げたが卸売価格は変えない」(後藤昇社長)意向だ。
 しかし、今後も川上の各段階からアパレルへ値上げ要請が続くことが予想される。すでに原燃料高などの影響で素材メーカーは相次いで表明している。東レ、帝人ファイバーは作業服用途を含む全素材の価格改定を発表し、具体的な交渉も始めた。染色を中心とした川中企業の採算が悪化するなか、「産地を含めた生産チームを今後も継続していくためにご協力いただきたい」(帝人ファイバー・高橋紀光ユニフォーム販売部長)と訴える。
 東洋紡は「差別化素材を安定供給するためには、汎用素材の収益改善が不可欠」(清水栄一ワーキング・サービスグループマネジャー)とし、来春夏から作業服向け素材を値上げする方針を明らかにした。ユニチカテキスタイルもコストが高騰している現状をアパレルに説明して回っているという。
 服資材商社も状況は同じだ。仕入れコストの上昇を受けて、すでに価格転嫁に動いている。株式会社ミツボシコーポレーション(本社:広島県福山市)の光成慶吾常務は「コストの上昇幅は平均で8~9%にもなり、受け入れてもらわないとかなり厳しい」とし、「4月ごろから交渉を進め、現段階でおおむね了承してもらっている」と話す。別の服資材商社も「転嫁できなければ、減益どころか赤字になる。強い姿勢で交渉に臨んでいる」と述べる。
 こうした値上げ要請が続けば、来年以降もアパレルが製品価格に転嫁する動きが出てくるかもしれない。今秋冬で値上げを見送ったあるアパレルの首脳は「生地値や服資材の価格が決まってから、製品価格を設定したい」と話す。昨年から始まった価格改定の動きは、来年以降も尾を引きそうだ。(おわり)

探見ユニフォーム文化 流通最前線を行く(1)

探見ユニフォーム文化 流通最前線を行く(1)(繊維ニュース)

消費者が求めるユニフォームとは
 
 私たちの生活に深く浸透しているユニフォーム。「安全」「一体感」「福利厚生」「メッセージ性」「セキュリティ」、その効用を上げるときりがない。本紙はこれまで、この日本独特の「ユニフォーム文化」をいろいろな観点から取材し、その価値を見直すキャンペーン連載を行ってきた。


 一昨年は「語り継ぐ“あの時”」とし、ユニフォーム創成期に尽力した先人たちに、その歴史を語ってもらった。昨年は「その効用を探る」をテーマに、学識経験者やイメージコンサルタントなどへインタビューを行い、ユニフォームの持つ役割や効果を聞いた。これらに続く第三弾を8月からスタートする。

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 “いざなぎ景気”を超えるといわれる現在の日本経済。バブル崩壊後は一時、不要論もあったが、近年はその価値が見直され、ユニフォームを巡る環境も大きく変わってきたように感じる。
 今年合併した東京三菱UFJ銀行は、合併を契機に廃止していた制服を復活させた。顧客に対する「安心・安全」というメッセージ性と社員の一体感を新制服に込めた。ある企業のコールセンターで働く社員は「セキュリティ」のために、全員制服を着用している。情報を勝手に持ち出すことができないように、制服には一切ポケットがないという。このように、消費者のニーズの多様化に伴い、川上型のビジネスモデルだったユニフォーム業界でも、マーケットインの思想が求められている。
 そのため、今回は「流通最前線を行く」と題し、変わりゆくユニフォーム業界のいまを、実際にエンドユーザーとかかわりを持つ全国の有力流通企業に分析、展望してもらう。彼らの多くは年商1億円前後の中小企業で、10億円以上のところは数えるほどしかない。そして価格競争が続くユニフォーム業界で、厳しい戦いを余儀なくされている。
 ただ、その存在が現在のユニフォーム業界の土台を支えてきたのは間違いない。取り巻く環境が激変するなか、自分たちが売りたいと思う、消費者が本当に求めるユニフォームはどんなものなのか。日本全国の流通最前線から「生」の声を届ける。(次回は8月28日)