「着たい」と思わせる服を
チクマは品数を3割程度増やし、コーディネート提案を強化している。トップスは通年同じでも、職種や環境によってボトムスを変えるというオフィスの着こなし需要を見込んだ。「ラグジュアリー・レディ」はテーラード調のシルエットに、ペプラムにピンクやグレーをさりげなく配色し高級感を出す。ポケットの仕様も今シーズンのポイントのひとつ。ベストの内側に小型のポケットをつけ、鍵や指輪などをしまっておける。ほかに家庭洗濯できるイージーケア商品、ソックスや手袋など小物も展示、商品層の厚さを印象付けた。
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南商は今春夏の更新需要が好調。「景気回復を追い風に、労働環境を快適にしようという意識が広がっている」と同社は近況を分析する。自社ブランド「アンフニ」では東洋紡のストレッチ繊維「ダウXLA」の採用し快適性を高めるほか、暖色とのコーディネートに映えるピンク・ブルー系の色バリエーションを増やした。シルエットの要となるボトムスはキュロットやパンツなど型、サイズ展開を強化。市場の声に応える。商品のすべてを国内生産、メードイン・ジャパンの高品質・QR対応をうたう異色のメーカーだが、安定成長は評価の表われだろう。
ナカヒロ・ハイナックカンパニーの「ピエ」は、オフィスウエアとしての機能性を進化させている。とくに立つ、座るといった動作を、スカートのプリーツやストレッチ素材などオフィスでの快適な「足さばき」にこだわった。また、健康志向にあわせてゲルマニウム練り込み素材も採用。色柄では紺色を基調に細かいドットやチェックを配したり、カルゼ織による黒・グレーのコントラストを上品にみせるなど、ベーシックカラーを基調に表現の幅を広げた。シルエットはシャープな印象のマニッシュ、ソフトな曲線を生かしたフェミニンの両方を提案。「着てみたいと思わせる制服」を商品化するため、企画段階では社内リサーチも行った。ハイナックカンパニーは今後「女性向けアパレルという意識付けを進めていく」姿勢で、社内の意見と展示会での反応を検証、次シーズンに反映させる。レディースユニフォーム業界の回復基調とともに、ユーザーにより近い視点での提案は今後も強まっていきそうだ。
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