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2006年7月31日月曜日

ワーキングユニフォーム 価格改定の行方(中)

ワーキングユニフォーム 価格改定の行方(中)(繊維ニュース)

 大手、今秋から価格改定へ
��月から始まった06秋冬向けの展示会。例年なら新商品とともに新しいカタログをアピールする絶好の機会だが、今年は7月中旬の三備フェアでも「販売店にカタログは渡していない」というアパレルが多かった。カタログ価格の改定について、ぎりぎりまで他社の情報を集めようとしたようだ。あるアパレルの社長は「ワーキングウエア業界は平成に入ってからは値下げの歴史。値上げは経験がないため、皆がデリケートになっている」と話す。

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 結果的には、現段階で最大手の自重堂を除く大手アパレル6社は今秋冬から価格改定を実施した。ただ、初めて実施するところや二度目の値上げなど、各社の事情によって値上げのタイミングや内容は様々だ。
 これまで価格改定を一切行ってこなかったジーベックは、今秋冬のカタログから初の改定に踏み切った。今春夏に初めて実施したサンエスは、今秋冬でも継続して同様の値上げを行っている。
 アイトスは昨年、一部の品番のみ値上げしたが、今秋からはそれ以外の定番商品の価格改定を行った。「9月出荷分からの実施に向けて、販売店と交渉を進める」(古森英次取締役ユニフォーム第一部長)。ビッグボーン商事は早々に新年度の8月からの値上げを発表した。昨年に続いての実施になるが、内田隆之社長は「生地や付属など様々なコストが上昇している」と理解を求めた。
 コーコス信岡も定番商品を中心に価格の再設定を行った。クロダルマも浸透に向けて交渉を進める。一方、最大手の自重堂はぎりぎりまで情勢を見極める考えだ。出原正貴専務は「10円値上げしてもその影響は大きい。来月上旬までには決定したい」と話す。
 中堅アパレルは、今年初めて値上げしたところを除き、多くが今秋冬の価格改定を見送った。「今秋冬は我慢して、来春夏まで様子をみたい」(大川被服・大川恭弘常務)や「生地値上げを表明している素材メーカーとの交渉が残っており、来春夏には検討するかもしれない」(旭蝶繊維・児玉堅士常務)という声が聞かれた。
 ただ、価格改定イコール値上げにつながるわけではない。結局は販売店との力関係によって卸価格が決まるというのが一般的な見方だ。アパレルも「下代は販売店との個々の交渉で決まる」と口をそろえる。あるアパレルの首脳は「我々も値上げできなければ相当苦しい。流通段階まで値上げできるかどうかで、今後差が出てくるのではないか」と指摘する。

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